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G1 COLUMN

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【特別インタビュー!】あの“ミスター・プロレス”天龍源一郎が『G1 CLIMAX 26』を辛口分析!! はたしてAブロックの本命・対抗・大穴は? (前編)

ただいま、各地で激闘が続いている『G1 CLIMAX 26』! 今回は、自身も参戦経験のある『G1 CLIMAX』に関して“ミスタープロレス”天龍源一郎氏に直撃インタビュー!
プロレス界のご意見番が “辛口”コメントを加えながら、Aブロックの本命・対抗・大穴を大胆予想!!

■新・闘魂三銃士? 「こんなアンちゃんたちに負けるわけない!」っていう気概で向かっていった

――今回は『G1 CLIMAX』について、いまやマット界のご意見番である天龍さんにお話をおうかがいできればと思います。天龍さんは過去に1998年と2004年の2回、『G1』に参戦経験がありますが、シリーズ自体にはどのような印象を持たれていますか?

天龍 そうだね。『G1』は真夏のクソ暑い時期に、そうそうたるメンバーと連戦で闘い抜いていかないといけないっていうね。ホントにハードなシリーズでしたよ。「新日本も酷なことさせるな?」っていうね(ニヤリ)。

――では、試合後のビールもさぞ美味しかったのでは?(笑)。

天龍 いやもう、ビールを飲むのすらシンドかったですよ(苦笑)。逆にいえば、当時は「この『G1』を乗り切れば…!」っていうのはあったね。レスラーとしてひとつのヤマを越えるというか。

――1998年の『G1』はトーナメント形式で、天龍さんは1回戦で武藤敬司選手との初対決をパワーボムで制し、2回戦は橋本真也さんとの激闘の末、DDTで敗退されています。いま、当時を振り返ってみていかがですか?

天龍 あの頃は“闘魂三銃士”が日の出の勢いでね。俺なんかは“外敵”として、彼らに立ち向かっていったっていう感覚がありますよ。しかもその下にはまだ、テンコジとか永田(裕志)や中西(学)っちゅう、元気なアンちゃんたちもいてね(笑)。

――まだ、第3世代も20代でしたから。そして、天龍さんは2004年の『G1』では、さらにその下の世代にあたる棚橋弘至選手、中邑真輔弘至選手、柴田勝頼選手の“新・闘魂三銃士”とも対戦しています。

天龍 このときは“新・闘魂三銃士”なんてカッコいい言いかたをされているけど、俺としては「こんなアンちゃんたちに負けるわけがない!」っていう、そんな気概で向かっていったのを覚えていますよ。

――なるほど。

天龍 あとは彼らのプロレスに対する思いはどのくらいものなのか? 技に執着はあるのか? そのへんを探りながら試合をしたというか。まあ、当時は中邑(真輔)なんかも線もまだ細かったし、柴田(勝頼)はやたらトンがってた印象がありますよ(ニヤリ)。

――当時から個性が際立っていた、と。

天龍 もう、柴田はその頃から「新日本で誰とも交わりたくない!」っていう一匹狼みたいな匂いを感じさせていたよね。コッチにも「コノヤロー、ブッ潰してやる!」って思わせるような選手でしたよ。フフフ。

■いまの“第三世代”って呼ばれている人間が、おとなしく見えちゃうのが不思議でしょうがないですよ。

――当時、棚橋選手たちからは、ゆくゆくは「新日本を背負っていく」というようなものは感じられましたか?

天龍 やっぱり、「プロレスが好きだ」っていう気持ちは3人全員から伝わってきましたよ。そもそも、プロレス好きじゃなければ、あの頃のゴチャゴチャしていた新日本でがんばろうとは思わないだろうし(笑)。

――たしかに、いろいろと外野が騒がしい時代でしたからね。

天龍 でも、俺や鈴木みのる、(佐々木)健介や高山(善廣)たち外敵に対しては、新日本のレスラーからは「負けてなるものか!」っていう団結力が感じられましたよ。で、俺たち“外様”は常に新日本側の悪口を言って、盛り上がってたけどね(笑)。

――天龍さんはこの『G1』2度目の参戦時、すでに54歳でしたが、決勝トーナメントまで進出しているのは、いま考えても本当に凄いですね。

天龍 フフフ。だから、俺にしてみれば、いまの“第三世代”って呼ばれている人間が、どこか「自分の中で貫禄がついた」と思って、何かしら線を引いちゃってるのか、周りにそうされているのかわからないけど、おとなしく見えちゃうのが不思議でしょうがないですよ。

――“第三世代”はみなさん40代ですから。「老け込むのはまだまだ早い」と?

天龍 あたりまえですよ! まあ、安泰っていうのは惰性の始まりだからね。

■これは辛口に聞こえるかもしれないけど、俺なりの天山へのエールですよ

――では、今回の各ブロックについて展望をお聞きしたいのですが、まずAブロックで天龍さんが気になる選手は?

天龍 一番がんばらなきゃいけないのは、やっぱり天山(広吉)でしょうね。ここに至るまでのいろんな経緯を聞くと。

――当初、出場メンバーには入っていませんでしたが、その熱意に打たれた小島(聡選)手が枠を譲るかたちで、“最後の『G1』”としてエントリーすることになりました。

天龍 まあ、俺はプロレスの世界で“最後”とか、“これで辞める”と言って、そのとおりにしたレスラーなんか見たことないけどね(ニヤリ)。ただ、俺に言わせれば、小島に譲ってもらってノコノコ出てくる天山も天山だよ。本来なら、ここは一歩引いて小島のサポートに回ったほうが潔かったと思いますよ。ただし、出てきたからには結果をシッカリ残さないとね。ベテラン選手が大きな団体で振るいにかけられるっていう、いい見本になるんじゃないですか? これは辛口に聞こえるかもしれないけど、俺なりの天山へのエールですよ。

――奮闘を期待しているからこその辛口だと。

■ここで後藤が優勝して一皮剥けたら、新日本の風景が変わって、勢力争いがもっとフレッシュになると思う

天龍 あと、俺がAブロックで気になるのは後藤(洋央紀)かな? 彼に関しては「ここでがんばれなければ、いつがんばるんだよ」って思いますよ。

――後藤選手に関しても期待感があるからこそのハッパというか。

天龍 後藤はプロレスに対して真正面からぶつかっている姿勢は感じますよ。でも、いまは「もがいてるな」っていう印象が強いですね。でも、プロレスっていうのは、もがいて悩まなきゃ、自分の殻は破れないものなんですよ。

――含蓄がありますね。後藤選手はCHAOS入りしてから今回が初の『G1』なので、インパクトを残したいところだと思います。

天龍 結局、与えられたポジションをただこなしていくだけじゃ、レスラーは成長しないんです。それじゃあ、ファンの心理まで読み取ることはできない。でも、もしもここで後藤が優勝して一皮剥けたら、新日本プロレスの風景が変わって、勢力争いがもっとフレッシュになると思うよ。そういう意味では後藤洋央紀のがんばりは新日本にとっても大事だと思うね。

■丸藤は初戦でオカダに勝ったでしょ? あとは「病欠したい」と思っているはずだよ

――では、“愛弟子”の石井智宏選手についてはいかがでしょう?

天龍 石井はいま、目一杯がんばるだけがんばってるから、ファンも応援していると思うんだよね。ただ、ここからさらに大きく突き抜けるとなると、なかなか厳しいっちゅうか。そういう意味では、今回の『G1』では、ひとりでもふたりでも、大物を食って“金星”を上げるのが、彼がプロレス界で生き延びていくうえで重要だと思うよ。

――石井選手もここが正念場ということですね。天龍さんも『G1』には“外敵”として参戦されましたが、今回Aブロックにはプロレスリング・ノアから丸藤正道選手が参戦しています。

天龍 ウン。丸藤は初戦(札幌大会)でオカダ・カズチカに勝ったでしょ? それでもう十分なんじゃないの? あとは「病欠したい」と思っているはずだよ(ニヤリ)。

――そのくらい、あの “一勝”は価値があったということですよね。

天龍 いまの新日本に出る、『G1』に出るってことは、ファンの目をノアにも向けさせることが一番の目的なんだろうし、丸藤もそのためには「勝っても負けても、いい試合をしてやる」っていう割り切った考えを持って出ているんじゃないかと思いますよ。そこでしょっぱな、現在のIWGPチャンピオンを相手に最高の結果を出したわけだからね。

■オカダは勝ち続けることで、自分のいろんなストレスを消去していっているんだと思う

――そのオカダ選手は、天龍さんの引退試合の相手を務めただけに、身を持って強さはご存知だと思うんですけど、いかがですか?

天龍 ただ、正直に言えば悪い選手じゃないけど、特段「凄い」とも思わないんですよ。ただ、彼はファンや会社の期待を常に背負って立ち続けている。彼はそういうふうに見せないけど、きっと毎回苦しんでリングに上がっていると思うよ。あの高角度のドロップキックやレインメーカーを出すことで、そのストレスを消去しているというか。

――なるほど。

天龍 じゃないと、プレッシャーで押しつぶされるかもしれないしね。彼はとにかく勝ち上がること、勝ち続けることによって、自分のいろんなストレスを消去していっているんだと思うよ。

■天龍源一郎の選んだ、Aブロックの本命、対抗、大穴は?

――団体のトップを長らく続けてきた天龍さんならではの分析ですね。では、Aブロックの本命、対抗、大穴をあげていただけますか?

天龍 Aブロックの本命は……後藤洋央紀だね!(キッパリ)。

――大きな期待をかけている後藤選手を推す、と。

天龍 で、対抗は天山かな。じゃないと小島も浮かばれないし、「オマエ、何しに来たの?」って話になりますからね。

――では、大穴は?

天龍 う~ん……。丸藤かな(ニヤリ)。オカダに勝っただけで満足なのかそうじゃないのか。ただね、アイツはなかなか、“したたかな男”だと思いますよ。

聞き手/鈴木佑

撮影/山本正二
G1勝敗予想